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日本の労働力人口が初めて年平均で7000万人を超える見通しとなりました。
人口減少が続く中、「働く人」が増えているという一見矛盾した状況ですが、そこには大きな構造変化が隠れています。
今、この変化に対応できるかどうかが、中小企業の人材戦略にとって極めて重要です。
まず、特筆すべきは女性の労働参加の増加です。
11月のデータでは、働く女性の数が3228万人と過去最高を更新し、前年同月比で46万人増。
最低賃金の上昇や長時間労働の是正といった環境改善が後押しとなっています。
家庭との両立を意識した「短時間勤務」や「柔軟なシフト制」が整ってきたことも、女性の就労を後押ししている要因です。
また、高齢者の労働参加も顕著です。
65歳以上の労働力人口は961万人に達し、30年前の2倍以上となりました。
企業側も定年後の再雇用制度や、年齢に応じた業務の設計に力を入れるようになっています。
「働ける限り働きたい」という意欲を持つシニア層は、貴重な戦力となり得ます。
外国人労働者も増加傾向にあり、2024年には230万人に到達しました。
全体の約3%ですが、特定の業種・地域では欠かせない存在となりつつあります。
一方で、就労形態の多様化が進む中で「1人当たりの労働時間」は減少しています。
短時間勤務者の増加、いわゆる「年収の壁」の存在などが背景にあります。
野村総研の調査では、パート主婦の56.7%が「壁」を意識して就業時間を調整しているとの結果が出ています。
政府はこの「壁」問題への対応として、在職老齢年金の見直しや、非課税枠を103万円から178万円へ引き上げるなどの措置を講じ始めています。
しかし、社会保険への加入義務や扶養控除の範囲といった制度面の課題は依然として残っており、働き控えを完全に解消するには至っていません。
こうした状況を踏まえると、企業側にも柔軟な雇用制度が強く求められます。
例えば、「週3日勤務でもOK」「1日4時間勤務の部署設計」「社会保険適用ラインを考慮した契約設計」など、従業員の生活に配慮した選択肢を用意することが、採用競争を勝ち抜く鍵です。
中小企業にとって、今こそが制度と現場のギャップを埋めるチャンスです。
採用戦略を「フルタイム人材の確保」から「多様な働き手との協業」に切り替える視点が求められます。
私たち社会保険労務士は、こうした制度設計や労務管理の専門家として、企業の持続可能な成長をサポートしています。
「働きたい人が、無理なく働ける」職場づくりをともに考えていきましょう。