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これらの変更は、法令対応というだけでなく、企業の信頼性や採用、取引継続、経営リスクに直結するテーマです。
中小企業経営者の皆さまにとって「知らなかった」では済まされない重要な変化。
この記事では、社労士の視点から各項目をわかりやすく整理し、具体的な対応策も紹介します。
「下請」「親事業者」といった言葉が「受託事業者」「委託事業者」に置き換えられたのは、立場の上下ではなく、取引関係の対等性を重視するメッセージでもあります。
目的は明確。
不当な取引慣行をなくし、中小企業が適正な利益を確保しやすくすることで、賃上げや経済活性化につなげることです。
また、受託事業者(中小企業側)からの価格交渉に対して、委託事業者(発注側)が協議に応じない行為も明確に禁止されました。
もし委託側がこれらの禁止行為を繰り返すと、公正取引委員会による勧告・社名公表の対象になる可能性もあります。
例としては、製造業で従業員数が300人超の企業が、300人以下の企業に製造委託する場合などが対象です。これは、節税対策などで意図的に資本金を1億円以下に抑えるケースが増えている現状を踏まえた見直しです。
なお、従来の資本金基準も引き続き存在し、両方の基準で対象が判定されます。今後は「うちは資本金が少ないから対象外」とは言えなくなる企業が増えるでしょう。発注元の企業は、受注先の従業員数もしっかり確認しておく必要があります。
転倒や段差によるケガが多い60歳以上の労働者。
彼らの事故を防ぐため、以下のような職場改善が求められています:
厚労省の調査によると、2024年の60歳以上の労働災害による死傷者数は4万654人で、9年連続で過去最多を更新。全死傷者に占める割合も初めて30%台に達しました。
「エイジフレンドリー」な職場環境は、今や選ばれる会社の条件とも言えるでしょう。
中小企業でも、段差の解消や明るさの確保、教育マニュアルの見直しなど、無理のない範囲での工夫は可能です。
シニア人材が安心して働ける職場づくりは、今後の採用・定着にも大きく関わってきます。
CO2の直接排出量が年間10万トン以上の企業は制度への参加が義務付けられ、排出枠の償却が求められます。排出量が割り当てられた排出枠を上回り、遵守期限までに償却できなかった場合は、未償却分に応じた「負担金」の支払い義務が生じます。
現時点で対象となるのは主に電力・鉄鋼・化学・セメントなどの大規模排出企業ですが、「取引先がGXに取り組んでいるかどうか」がサプライチェーン全体での選定基準になる流れは加速しています。
取引先やサプライチェーン全体で脱炭素に取り組む動きが進む中、
中小企業も「脱炭素姿勢」を打ち出すことで、選ばれる企業になる可能性が高まります。
環境配慮型の経営は、今後の販路拡大や資金調達でも有利になることが想定されます。
この3本柱が連動しています。
バラバラに対応するのではなく、「経営方針のアップデート」として全体最適を目指すことが重要です。
最後に、社労士・診断士として中小企業経営者の皆さんに、今から始められる対応リストをお伝えします:
✅ 主要な取引先との契約内容・支払い方法の見直し
✅ 労災防止に向けた高齢従業員の勤務実態の把握
✅ 職場の段差・視認性の点検と改善計画
✅ GXに関する社内勉強会や外部セミナーへの参加
✅ 自社のCO2排出量の把握と将来への備え
✅ 法改正について社内で共有・周知の場を設ける
2026年は、経営を守り、企業としての信頼を築くための「備えの年」です。
変化をチャンスに変えるためにも、専門家の力をうまく活用しながら、一歩ずつ着実に進んでいきましょう。