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中小企業経営者にとって「賃上げ」は大きな経営テーマです。
しかし、原資がなければ継続的な賃上げはできません。
長野県上田市の電気計測器メーカーHIOKIは、2024年の平均年収が1032万円。
4年間で260万円以上増加しました。
本記事では、HIOKIの事例から「人を大切にする経営」と「高収益体質」の両立について解説します。
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賃上げの背景には、単発の業績好調ではなく、構造的な強さがあります。
ポイントは「理念」「市場戦略」「収益構造」「人事制度」の一貫性です。
平均年収1032万円は結果です。
その裏側には、長年かけて設計された経営の仕組みがあります。
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1986年に掲げられた理念は「人間性の尊重」。
血縁ではなく、優秀な社員が会社をつないでいくという思想です。
社員一人ひとりへの投資を惜しまない姿勢が根底にあります。
理念だけでは企業は変わりません。
評価制度や賃金制度、配置転換の仕組みまで一貫させて初めて意味を持ちます。
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EVの普及、再生可能エネルギーの拡大、データセンター増加。
電力を正確に測定する機器の需要は拡大しています。
どの市場で戦うか。
これは賃上げの可否を決める最上流の経営判断です。
縮小市場では努力だけでは限界があります。
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ここ数年、営業利益率は約20%前後。
賃上げの前に、まず利益。
「利益が出たら分配する」ではなく、「利益が出続ける構造をつくる」。
・価格戦略の再設計
・原価構造の見直し
・付加価値の明確化
利益率の改善なくして、持続的賃上げはありません。
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HIOKIは業績連動賞与の割合が高く、連結業績ベースで還元しています。
成果が出れば、自然と社員に分配される仕組みです。
労使交渉での駆け引きではなく、
透明性の高い制度設計が信頼を生みます。
賃金制度は経営メッセージそのものです。
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海外売上比率75%を目標に掲げ、
マーケティング機能をシンガポールへ移転。
市場に近い場所へ機能を移す合理性。
意思決定の速さは中堅企業の強みです。
中小企業も「変化の速さ」を武器にできます。
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2025年から人事異動を挙手制へ。
「もはや年功序列では育たない」という明確なメッセージがあります。
意欲ある人材が前に出られる環境づくり。
評価と機会をセットで設計することが重要です。
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本社には眺望の良いカフェスペースを整備。
社員が誇りを持てる環境づくりにも投資しています。
人材確保が難しい時代、
働きやすさは企業のブランド価値になります。
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自社の主戦場は本当に伸びていますか。
営業利益率を1%上げる具体策を持っていますか。
年功序列のままになっていませんか。
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本気で人を大切にするなら、
理念だけでなく数字と制度を変える覚悟が必要です。
賃上げは結果。
原因は経営構造です。
社会保険労務士・中小企業診断士として多くの企業を支援してきましたが、
成長を続ける企業は例外なく「理念」と「収益構造」が一致しています。
人を大切にする経営は、優しさではなく強さです。
次の10年を見据え、
あなたの会社はどんな仕組みをつくりますか。